プレスリリース
2021.03.10

ANAグループ・全日空商事との持続可能な社会に向けた未利用資源 再生・循環パートナーシップ 「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」 誕生

持続可能な社会に向けた未利用資源 再生・循環パートナーシップ
「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」 誕生
田辺農園の規格外バナナとオーガニック米から作る発酵アルコールを配合

株式会社ファーメンステーション(本社:東京都墨田区、代表:酒井里奈)とANAホールディングス株式会社傘下の全日空商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:志岐隆史)は、持続可能な社会に向けたサーキュラエコノミー(循環型経済)の実現を目指し、全日空商事グループの一員であるANAフーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:土井孝浩)がエクアドルから輸入・販売している「田辺農園バナナ」の規格外バナナとファーメンステーションが手掛ける休耕田で栽培したオーガニック米を原料に、発酵アルコール(エタノール)を精製し、天然由来成分99%の「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」を開発しました。
この「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」は、4月1日より総合お土産店「ANA FESTA」の羽田空港の店舗にて販売いたします。

■ 販売できない規格外バナナ再利用のための協業が実現!
全日空商事グループは、ANAグループが推進するESG経営のもと、事業活動を通じて「社会的価値」と「経済的価値」を同時創造しながら、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指すとともに、SDGsの達成にも貢献したいと考えています。
また、ファーメンステーションは、未利用資源を発酵・蒸留してエタノールを精製、残った発酵粕は化粧品の原料や鶏・牛の餌に活用し、さらにその鶏糞や牛糞を田畑や牧草地の肥料にするなど、出来る限りごみを出さないサステナブルな循環を地域コミュニティと共に作っています。
全日空商事グループでは、「田辺農園バナナ」の流通の過程で、汚れや傷みなどにより規格外となり、これまで家畜の飼料等としてリサイクルしていた販売できないバナナを、別の方法でも持続可能な社会の実現に向けて有効活用出来ないかと考えていました。
この度のファーメンステーションと全日空商事グループの協業により、ファーメンステーションがもつ独自のエタノール精製技術を用いて、規格外の田辺農園バナナと未利用資源である休耕田を活用したオーガニック米から高品質のエタノールを精製、そのエタノールを使用した「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」を製品化いたしました。また、エタノール精製後に出来る「発酵粕」は、発酵所のある岩手県の肥育牛の飼料として利用されており、将来的にはこの飼料により生育した肥育牛を活用していくなどサーキュラエコノミーの実現を目指してまいります。
ファーメンステーションと全日空商事グループでは、今後、未利用資源をともに再生・循環していくパートナーシップの拡大も検討しており、外部企業との連携の可能性も視野に入れ、取り組んでまいります。

■ 商品概要 「お米とバナナの除菌ウエットティッシュ」

仕様:1袋10枚入(寸法:140×80mm)
価格:希望小売価格 170円(消費税別)
用途:手や指の汚れ落とし、身の回りのものの除菌
成分:99%天然由来原料使用、無香料
認定:一般社団法人日本衛生材料工業連合会(JHPIA)が定める基準の除菌性能テストにより、除菌効果が認められています。
販売箇所:総合お土産店「ANA FESTA」羽田空港内、羽田B1フロアギフト店・羽田到着ロビーギフトショップ・羽田北バスランギフト店・羽田46番ゲート店・羽田53番ゲートギフト店・羽田61番ゲート店・羽田65番ゲート店(4月1日より)。全国の「ANA FESTA」への展開を検討中、全国の駅・高速道路のお土産店などでも販売する予定。
QRコード:パッケージ表面のQRコードを読み取ると田辺農園バナナの紹介動画が閲覧できます。


◆各社の取り組み◆
<ファーメンステーション>
■ ファーメンステーションの技術、廃棄物ゼロの循環モデル

ファーメンステーションは、独自の発酵技術で未利用資源を活用し、循環型社会を構築するスタートアップです。
岩手県奥州市に研究開発拠点兼自社工場(奥州ラボ)を持ち、独自の発酵・蒸留技術でエタノールやサステナブルな化粧品原料などを開発・製造、以下の事業を展開しています。
■原料事業:サステナブル原料の製造販売
■自社ブランド事業:オーガニック化粧品・ライフスタイル製品の製造販売
■ODM/OEM事業:サステナブル・オーガニック化粧品等のODM/OEM
■共創事業:企業との『未利用資源再生・循環パートナーシップ』
また、エタノールの製造過程で生成される発酵粕は、化粧品原料や地域の鶏や牛の飼料として利用し、さらに鶏糞は水田や畑の肥料にするなど、廃棄物ゼロの循環型モデルを構築しています。
ファーメンステーションが構築する廃棄物ゼロの循環型モデル


■ ファーメンステーションの未利用資源 再生・循環パートナーシップ事業
ファーメンステーションは、食品・飲料工場の製造過程等で出る副産物・食品残さなどの様々な未利用資源を再生することで、新たな高付加価値の商品を生み出す事業開発に取り組んでいます。
これまでも、アサヒグループとJR東日本グループが製造するりんごのお酒「シードル」の醸造工程から発生する副産物である「りんごの搾り残さ」を発酵・蒸留、精製した「りんごエタノール」を用いたアロマ製品や除菌ウエットティッシュなどを製造、さらに、エタノール精製後の蒸留残さは、牛や鶏の飼料として活用しております。

<全日空商事グループ(ANAフーズ)>
■ 田辺農園バナナとは?
「田辺農園バナナ」は、世界一のバナナ輸出国である南米エクアドルで広島県出身の田邊正裕氏と弟の田邊洋樹氏の二人が運営する田辺農園(本社:エクアドル サント・ドミンゴ県コンコルディア地区)が生産しており、その全量をANAフーズが買入れ、日本国内で販売している高級バナナです。収穫・検品後、エクアドルから船便で約3、4週間かけて日本に到着し、ANAフーズのバナナ追熟施設(全国9箇所)に運ばれ、出荷計画に沿って貯蔵、加工(熟成)し、最も美味しい状態にして出荷しています。
ANAフーズは田辺農園と2005年にバナナの輸入販売の契約を締結、2020年6月に販売開始15周年を迎えました。
田辺農園は、赤道直下の標高約300mの高原地帯に1991年に農園主 田邊正裕氏により拓かれた農園で、自然の地形を活かした森の中の農地に、徹底したこだわりと環境に配慮した栽培方法を採用しています。 この“安全・安心で美味しいバナナを日本の消費者にお届けする”ため、土づくり、水、栽培や収穫に従事する従業員の暮らしにもこだわって、大切に育てています。

赤道直下の高原地帯に展開する「田辺農園」のバナナの“森”

■ 田辺農園バナナのサステナブルな“こだわり”
>規格外バナナなどを原料に発酵させた肥沃な自家製有機質肥料による “田辺式「バナナ循環農法」”の実践
>主要栄養素NPK(窒素・リン酸・カリウム)作りには鶏糞を発酵させ、その熱で雑菌や不要物を減少させて堆肥化
>牛糞に新鮮な牛乳を混ぜて発酵させ、微量要素(カルシウム・マグネシウム・マンガン・ホウ素・亜鉛などのミネラル分)を加えて熟成させた発酵液肥を採用
>バナナの洗浄には井戸水を沈殿させ、活性炭でろ過し、オゾン殺菌した水を使用し、品質を管理
>除草剤や土壌消毒剤を使用せず、可能な限り農薬に頼らない、自然にやさしい栽培方法を採用
>生産に携わる従業員には、正社員として現地の住民約550名を直接雇用

田辺農園の取り組みは厳しい世界基準でも認められ、「グローバルギャップ」、「レインフォレスト・アライアンス」、2つの国際認証を取得しております。
なお、「田辺農園バナナ」は、大房で独特の甘さやコクがあり、フィリピン産や台湾産バナナにはない酸味が美味しさの秘密となっています。

■ 田辺農園概略
【所在地】 エクアドル サント・ドミンゴ県 (赤道直下)
【規模】 園全体約550ヘクタール、うち栽培面積 約350ヘクタール
【従業員数】 約550名(2020年12月現在)
【生産量】 約130万カートン(約1.8万トン)